メンタル・ヘルス研究所日本生産性本部

神経系統の機能又は精神の障害に関する障害等級の認定基準(抜粋)

厚生労働省 平成15年8月8日発表

1 労災保険においては、業務や通勤が原因で負傷し、又は、疾病にかかり、その傷病が治っても身体等に後遺障害が残った場合には、その後遺障害の程度(等級)に応じた給付(障害(補償)給付)が行われる。
  この障害の程度は障害等級として認定されるが、これを認定する基準として障害等級認定基準(以下「認定基準」という。)が設けられている。
  今般、専門検討委員会報告書の内容を踏まえ、精神・神経の認定基準について全面的に改正したものである。
  なお、精神・神経の認定基準の全面的な改正は昭和50年以来となる。

2 主な改正内容

  1. 脳の器質的な変化を伴わない精神障害(非器質性精神障害)である「うつ病」や「PTSD」等の後遺障害について、新たに基準を設けた。
  2. 脳の器質的損傷による記憶、思考、判断等の能力の障害(高次脳機能障害)や脳又はせき髄の器質的損傷による麻痺の後遺障害について、より明確な基準に改めた。
  3. その他、外傷性てんかん等の後遺障害について、最新の医学的知見に基づく基準に改めた。

3 厚生労働省としては、今回の認定基準の改正により障害認定がこれまでより迅速かつ適正に行われるものと考えている。
なお、本認定基準は平成15年10月1日以降治ゆした後遺障害について適用となる。

改正認定基準の概要(参考)

1 非器質性精神障害

非器質性精神障害の認定基準については、外傷性神経症に係る認定基準のみ設けられていたところであるが、うつ病やPTSD等の精神障害の労災認定の増加傾向に鑑み、業務上の非器質性精神障害の後遺障害一般に関して適用する基準を設定するとともに、障害認定の時期を示したこと

(1)非器質性精神障害の特質と障害認定
非器質性精神障害は、その特質上、業務による心理的負荷を取り除き適切な治療を行えば、多くの場合完治するのが一般的であり、完治しない場合でも症状がかなり軽快するのが一般的であること
また、通勤・勤務時間の尊守、対人関係・協調性等の能力のうち、複数の能力が失われている等重い症状を有している者については、非器質性精神障害の特質上、症状の改善が見込まれていることから、症状に大きな改善が認められない状態に一時的に達した場合においても、原則として療養を継続することとしたこと

(2)障害認定の基準

「抑うつ状態」等の精神症状が認められるものについて、日常生活や通勤・勤務時間の尊守、対人関係・協調性等の8つの能力の障害の程度に応じ、原則として9級・12級・14級の3段階で障害等級を認定することとしたこと

(以下略)