メンタル・ヘルス研究所日本生産性本部

メンタルヘルスQ&A

質問

最近、部下のBに元気がありません。仕事のパフォーマンスも以前より落ちているようです。もともと口数が多いほうではありませんでしたが、昼休みなど、自席でぼーっとしていることが多くなっています。以前のように同僚と連れだって昼食に行くこともありません。そのBが昨日珍しく上司である自分のところに相談に来ました。プロジェクトを成功させる自信がないといいます。そんなことをいいにきたのは初めてで、心なしか頬がこけたような気がします。
Bはこの部署に異動してきて半年になりますが、仕事熱心で責任感が強く、頼もしい部下です。今請け負っているプロジェクトも事実上Bにまかせていますが、黙々と懸命にこなしてくれています。そのプロジェクトは今月中に完了の予定でしたが、顧客から新たな難題が出され、来月以降に持ち越しとなりました。今月開始の別のプロジェクトと同時進行することとなり、以前の人員削減の影響もあって、Bは毎晩遅くまでの残業を余儀なくされています。 
そういえば、同期入社のひとりが休職中とききました。うつ病といううわさですが、信じられません。こつこつと仕事に取り組んで、後輩の面倒見もいい、頼りがいのあるヤツでした。よく冗談も飛ばしていましたし、到底うつ病になるようには見えませんでした。Bもうつ病なのでしょうか。上司として、どうしたらよいのでしょうか・・・・・・・・。

回答(独立行政法人労働安全衛生総合研究所 産業医学総合研究所 精神科医 倉林るみい)

さて、Bさんのケース、もともと仕事に限らず何でもいい加減にはできないがんばり屋で生真面目な性格のうえに、異動あるいは昇進、仕事の負荷増大などがきっかけとなったという点で、典型的なうつ病の可能性があります。もしうつ病だったら、早急に専門的な治療を要します。とはいえ、管理職がうつ病かどうかの見極めをする必要は全くありません。様子が何か変だと思ったら、すぐ専門家に相談してみるのがよいでしょう。前述の性格傾向に加えて、出勤の状況、仕事のパフォーマンスの低下、昼休みの様子など、普段と異なる行動パターン、それに、食欲がない、痩せてきたなど、身体の調子も見逃さないようにしてください。異変に気づくためには、常日頃から部下の様子をつかんでおくことが大切です。
では、どこに相談にいくのがよいでしょうか。社内に保健師、看護師、産業医などの産業保健スタッフがいる場合は、そこに行けばよいでしょう。もちろん本人自身が行く、あるいは本人と一緒に相談に行くことができれば、それに越したことはありませんが、心の相談はなかなか本人に勧めにくいことも多いのが実情です。その場合は、まず管理職のみでの相談でよいでしょう。専門家に様子をきいてもらい、心配ないということなら何よりです。心配がある場合でも、どのように接したらよいか、どうしたら本人にも来てもらえそうかなど、専門家の知恵を借りることができます。
社内に産業保健スタッフがいない場合には、例えば、顔色が悪いから一度医者に行ってはどうかなどと、身体の問題として内科を勧めるのもよいでしょう。心の専門医には、内科医のほうから勧めてもらうこともできます。また、会社が契約している電話やメールでのメンタルヘルス相談制度を利用する手もあります。
いずれにしても、管理職がひとりで問題を抱え込み、悶々と悩むのは避けるべきです。管理職自身がうつ病になっては元も子もありませんから。