メンタル・ヘルス研究所日本生産性本部

メンタルヘルスQ&A

質問

Aさんからの相談。
このごろ毎朝のように、出勤がおっくうで、できれば会社に行きたくない感じです。8年も勤めた部署から移って3ヶ月になります。異動当初は、心機一転、張り切っていたのですが、なかなか新しい部署になじめません。仕事も前の部署とはずいぶん変わり、一から覚えなければならないことが多くありました。当初は不慣れでミスも重なり、周りに迷惑をかけてしまいました。最近、ようやく仕事のやりかたはわかってきたものの、プロジェクトに中途参加したこともあり、プロジェクト内でいまひとつ役割がつかめず、自分の居場所がみつかりません。周りの雰囲気も、以前の部署と違い、よそよそしくてなじめません。ここのところ熟睡できなくなったせいか、疲れがとれない気がします。明け方近くに目が覚めてしまい、そのまま目が冴えて寝つけないこともよくあります。食事は健康のもとだからと無理にでも食べるようにしてはいるものの、ちっとも美味しく感じられません。会社に行って席についても、ため息ばかり出てくる今日この頃です。

回答(独立行政法人労働安全衛生総合研究所 産業医学総合研究所 精神科医 倉林るみい)

長年なじんだ部署から新天地への異動の後には、新しい部署にうまくとけこめず、Aさんのようにつらい毎日になってしまうことも珍しくありません。Aさんは人一倍まじめで、他人に気を遣う性格なのでしょう。自分のミスで周囲に迷惑をかけて申し訳ないという思いが負担となって、よけいに自分を追いつめているような、気の毒な状態です。睡眠や食欲にも支障が出ています。うつ病になりかかっていることも疑われますので、いちど専門家の受診をお勧めします。
実は、うつ病になる大きなきっかけの一つは、生活パターンの変化だといわれています。働いている人なら、就職、転職、転勤、異動、昇格、退職などです。このような時期には、上司や同僚など周囲からの一層のサポートが欠かせません。Aさんの場合も、Aさんがソフトランディングしやすいよう、異動先の管理職やプロジェクトリーダーからの配慮がもっとあればよかったように思われます。 新年度は異動も多い時期です。転勤されたり、なかには単身赴任になったりという方も大勢いらっしゃるでしょう。新しい環境への適応には、人間、予想外のエネルギーを使うものです。「あわてず」「焦らず」「あきらめず」の3Aをモットーに、一歩一歩とご自分にいいきかせて、やがては新天地で持ち味を発揮されるよう願ってやみません。