メンタル・ヘルス研究所日本生産性本部

メンタルヘルスQ&A

質問

 37歳のFさんは、同じ職場の同僚です。ながらく体調不良ということで会社を休んでいましたが、2週間ほど前ひょっこり職場に顔を出しました。翌月位から出社できそうな状態まで回復したとのことで、その日は、グループリーダーと昼食をとって帰りました。Fさんは、今の職場に来て3カ月たった頃より、短期休暇を繰り返していた人なので、本当に大丈夫なのかなとの思いが残りましたが、今回は長期に休んだせいか、素人目にもこれまでの彼と違って、変な力みがなく挨拶なども自然な感じでした。ちょうどよい機会なので@メンタル系とおぼしき病気で休んだ人の回復過程とA同じ職場の人間として受け入れるに際してどんな配慮をするのが望ましいか等、知っておくのが好ましいことがありますでしょうか?

回答(メンタルヘルス・ビュ−ロ− 臨床心理相談室カウンセラー 宮田眞澄)

 メンタルな病気、特にうつ病やうつ状態に陥り休養が必要になる人が、どこの職場でも増えています。治療に関しては信頼できる主治医に出会えるか、家族の理解と協力が得られているかが肝心なところですが、復職を意識する段階では職場側の姿勢がどのようなものであるかに相当左右されます。いまどきは、どんな病気であってもオチオチ休んでいられないという気持から、必要な休養期間をとらずに、職場復帰を急いでしまう事例をよく見かけます。その結果、休職、復職を繰り返しているかに思えますが、治りきっていないためと言える場合も多いのです。
  勿論繰り返すタイプの病気もありますが、それは他の機会に譲るとして、この方の場合は繰り返してやっと納得し、充分な休養を取られたのでしょう。病気になった上に、休業することで更に失うもの(地位や給与や自他からの期待感など)があるのですから、焦りと苦しみに打ちのめされる段階があります。ただし精神的にも生理的にも回復すると、喪失感も和らぎ前向きに考えられるようになります。職場復帰は体調には波があることを前提に余裕をもって計画、上司との面談や職場への顔出しなどの段階を経るのが安全です。 
  上司の立場では、仕事内容や仕事量の吟味・回復状況の把握等が必須ですが、同僚の立場であれば、回復できた事を喜んでいただくだけでも充分です。 
  まだまだ偏見を持つ人もいて、ご本人はびくびくしたり、相変わらず周囲に申し訳ないとの思いや、引け目を感じ続けています。周囲のゆるやかな見守りと、さりげない言葉かけが一番で、心の安定度を高めてくれる重要な働きかけになっているのです。